母と子

あっちに行かされて~…こんな事ではあかん……

二人で、いっつも出て行って帰ってこえへんねん…



まだ、ばあちゃんがいろいろお話出来る頃。
ポロッと愚痴をこぼした。
デイサービスやら病院やら、
他人と接したあとに、おしゃべりさんになった。
私をヘルパーさんか、看護士さんと間違えての事だろう。

長年、息子と二人暮らしをしていたばあちゃんは、
息子の結婚を機に、義妹と同居をはじめた。
そのあとに、嫁さんが住んだ。
私と、まもるさんの事だ。
住み慣れた家を嫁さんに追い出された形になったのが悲しかったのだろう。
あっちに行かされて~…こんな事では、あかん…

しばらくして、二世帯住宅で息子夫婦と住みだした。
だけど、ばあちゃんは、やっぱり寂しかった。
二人して仕事に行き、休日は二人して遊びに行った。
一緒に住んでいても、ばあちゃんは一人だった。
二人で、いっつも出て行って帰ってこえへんねん…

「そぅかぁ~、それはあかんなぁ~」
自分の悪口に、相槌を打ちながら、なんとも不思議な気持ちになった。
きっと、病院でも施設でも、こんな感じにおしゃべりしてるんだろうな~
私って、鬼嫁やんか…。そうは思いはしたが、腹は立たなかった。

これが正気のままのお年寄りなら、
そんな心の中を、はきだす事もなく、ずっと我慢していくんだろうな…。


いまでも、ばあちゃんは「息子大好き」である。
夜、息子が帰ってくるとお目覚め、はいはいでリビングにやってきては、
ちょこんと隣に座る。
「○※△□…やねぇ~」と、訳のわからない言葉で話しかける。
息子はパソコンに向かっているので迷惑だ。
だけど、最近では、「そうやねぇ~」と、結構つきあいが良くなった。
ばあちゃんは、ご満悦である。

呆けきって、ようやく手に入れた、ばあちゃんの安住の地。



【スペシャルサンクス】
最新お知り合いになったpochikoさんのブログ。色んな話題を為になる情報とともに精力的に発信されています。特に「介護」のカテゴリーでは、包み隠さぬ素直な文章で、読み進めるうちに、介護族の私は、何度も相槌を打ち、何度も涙腺がゆるんだ。そんな気持ちのこもった記事を読みながら、ふと思い出した思い出話です。

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この記事へのコメント

Hiromi
2006年03月17日 15:40
 風民さん、こんにちは。
pochikoさんチもお邪魔しました。
同居していた頃のことを、あれこれ思い出しました。
たいした介護はしなかったけれど、脳梗塞だった義父のことを思い出しました。。。
今となれば『~たら』の話にしかならないけれど、思うことたくさんあります。
 いずれ私達も進む道…。
でも誰にも分からない…。
2006年03月17日 15:49
風民さん、pochikoさんのご紹介ありがとうございます。
お世話することの大変さや思いやりの心、ストレス発散方法など
学ぶところが多いです。
実際体験されている人にしか分からないことも多いです。
でも先に頭に入れさせてもらうことでより理解できますし、
実際お世話されている人の励みにもなると思います。
ありがとうございました。

2006年03月17日 17:06
●Hirimiちゃんへ
こんにちわ~♪
御義父さん、脳梗塞だったんですね。
pochikoさんのブログを読んで、ひきだしの奥にしまっていた事を、いろいろ思い出しました。
Hiromiちゃんも思い出しちゃった?
進む道は、誰にも分からない。
だから、今を大切にしないといけないね。
風民
2006年03月17日 17:09
●チロリアンランプさんへ
こちらこそ、橋をかけてくださって、ありがとうございます。
pochikoさんのブログは、何を隠すことなく、飾ることなく、真っ直ぐな言葉なので胸に響くのでしょうね。
介護の先輩が仲間にいらっしゃると思うと心強いです。
2006年03月17日 18:44
>呆けきって、ようやく手に入れた、ばあちゃんの安住の地。
初心に返って、風民さんがまた新鮮に見え出した。ほんとうにあなたやさしいね。私はじいさんを施設に放り込んだ女だからと、チョビッと後ろめたかった。
素直に文章を綴れるpochikoさん、すてきな人ですね~。チロリアンランプさんといい、gooブログってやさしくてきれいで見やすい気がする。心機一転乗り換えようかしら・・・
pochiko
2006年03月17日 21:27
風民さん ブログの紹介ありがとうございました。

思いますに、確かに私は要介護5のおばあちゃんを看ていますが、動けない話せないって事はある意味楽なんですよ。
一番大変なのが、風民さんのように認知を発症されている方の介護なのだと思います。
一時も心休まる時がないのではないかと思われます。
我が家のご近所さんにも、認知で徘徊のおばあちゃんを看ておられる方がいましたが、見ていて大変さを痛感しました。
我が家のじいちゃんの時もそうでした。
その大変さの中で認知をしっかりと受け止めてあげられる風民さん。
私も学ぶべき事がたくさんありますよ。
これからもよろしくおねがいしますね。
風民
2006年03月17日 23:07
●レイコサウルスさんへ
pochikoさんのおかげで、ちょっぴり昔話を書いてしまいましたよ。
始めた頃は、ばあちゃんの話ばかりでしたのにねぇ~。
私は、レイコさんが施設を選んだのは正解だったと思いますよ。
徘徊のはじまった足もまだまだお元気な御義父様は、一人では大変です。

だ~か~ら~といって、gooブログに乗り換えぇ~!!
レイコさんには、まだまだ50代ブログの重鎮として君臨して頂かなければ…。50代のお仲間に私が合わせる顔がごじゃいませんてぇ~。
お代官様ぁ~~。お許しをぉ~~。
風民
2006年03月17日 23:16
●pochikoさんへ
わざわざ、ありがとうございます。
たくさんのブログを読んでいて記事が生まれるって事がありますね。
まさに今回は、そんな感じで仕上がりました。
こちらこそ、ありがとうございました。
ばあちゃんの認知症の大変な初期の頃、私は無知で、勤務を続けておりました。ばあちゃんの臆病な性格が幸いし、あまり徘徊は頻繁ではありませんでしたので、置いて会社に行っておりました。もしも逆に、私が一日中、家におりましたら、私がノイローゼになっていた事と思います。今では、すっかりおとなしくなった介護5のばあちゃんは、子供のような存在です。ばあちゃんには、かわいそうでしたが、これで良かったのではないかとも感じています。
ただ、これから来るであろう寝たきりへの不安はぬぐいきれません。
また、どう対処したらよいか途方にくれた時は、相談に乗ってくださいね。
よろしくお願いします。
2006年03月18日 08:52
お仕事をしていて感じる事があるのですが、この方にもあの方にも、いろいろな人生があって、苦労したり、幸せだったり、泣いたり笑ったり・・・・認知症の方の介護をさせてもらっていて、ふとそんなことを思います。今、自分に対して見せている笑顔と家族に対してみせる笑顔。自分にとってその方の笑顔は幸せな事だけど、その方にとっては幸せなことなのかなぁなんて・・・・
ちょっとマジメな話になっちゃいましたね。
2006年03月18日 11:28
あまりにも深い内容で。。。言葉が出ません
私も認知症のばあちゃんを認知症の初期からずっと見てきました
動きが激しくて。。。
風民さんが今 穏やかな気持ちで一緒にいられることが
何よりです。
風民
2006年03月18日 13:22
●ゆうちゃんへ
介護を仕事にしているゆうちゃんは、いろんな方の人生と接するでしょうね。
もしも…、利用者さんが家族の悪口を言っても、相づちを打ってあげて。
でも、すべてを言葉通りに受け止めて、家族を白い目で見ないで。
どちらにも言い分がある事なんだと思うから。

●たまえさんへ
御義母様は、お元気ですか?
お蔭様で、私は今、穏やかな気持ちで暮らせています。
足腰が立たなくなって、目もかなり離せます。
ゆっくりと生活できています。
瓦 ☆~~
2006年03月18日 15:17
今でも息子が帰ってくると・・・、そうなんですか、とっても不思議。

安住の地を作って差し上げたのは他でもない、風民さんとご主人様なんですよね、ばあちゃん、幸せ、ウルウル・・・。☆~~
ルート
2006年03月18日 16:33
私も風民さんも、おばあちゃんをスキになっちゃったんですよね。穏やかになったおばあちゃんが、何かしゃべったり表現してくれればそれが文句でも嬉しい。でも「義母」さんをそこまで受け入れられる風民さんはやっぱり優しいんだなぁ…(*^_^*)
風民
2006年03月18日 17:23
●瓦さんへ
「息子が帰ってくると…」本当に不思議ですよ。息子とわかっているのかどうかはさだかではありませんが、絶対に私を含め他の人と対応が違う。大切な人だというのは、わかってるんじゃないかな~。
ありがとうございます。

●ルートさんへ
そうだねぇ~、ばあちゃん大好き族だねぇ(笑)
うちの場合、もともと年が離れているので、嫁と姑というより、おばあちゃんと子供みたいな所があったからねぇ。
ありがとうね♪
2006年03月19日 12:54
今日夜中(正確には明日)00:55分から日本テレビで放送予定のドキュメント、妻の名さえ覚えていない…記憶をなくした歌手が歌う“ロマンス”というのを新聞のテレビ蘭でみて、風民さんのおばあちゃんのこと思い出しました。☆~~
風民
2006年03月19日 16:12
●瓦さんへ
お知らせありがとうございます。
関西では、読売テレビ「記憶を失った夫」というなんとも飾り気のないタイトルでありましたぁ…。
kaako
2006年03月24日 07:26
風民ちゃんの心が 澄んでいるのが見えるようです。
ばあちゃんの晩年はしあわせいっぱいですね。
ぼけるのも悪くないですね。すべて許されるような気がして。
ひとつわかることは ぼけたって<人が恋しい>人は ひとりでは生きられないのですね。
風民
2006年03月24日 10:41
●Kaakoさんへ
ありがとうございます。
ぼけた人は、記憶が抜け落ちていきますが、感情は豊かです。
ひととき、ひとときを生きていますので、私達より純粋かもしれません。

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