父と暮らせば

劇団四紀会の「父と暮らせば」を観た。


お日様ふたつ分の16000℃という猛烈な熱と爆風。
瓦を溶かし吹き飛ばし、剣山(けんざん)のようにしてしまった威力。
ガラスは割れて飛び散り、人の体を つきさす…。
亡くなった方だけでなく、
生き延びた方々も 肉体的・精神的に長年にわたって苦しめる
原子力爆弾。
戦争。

二度と同じあやまちを繰り返してはいけない。

戦争を知らない私に、どんなに悲惨な事だったかを教えてくれた。




苦しくて辛い過去は、思い出したくない。消し去ってしまいたい。
忘れていたつもりでも、ふっと出てくる暗い影が
自分を不幸にしてしまう。自分を許せない。

人は誰でも幸せになりたい。
自分をいぢめて、苦しい時ばかりを過ごすべきでない。
自分で自分を不幸にしてはいけない。

相反する心の中の色々な気持ちを考え考え
自分が幸せになる道を さがし 自分を許していく。
それが 乗り越えていくということ。


原爆で亡くなった人達を思い、
「わたしは幸せになっちゃぁいけんのよ!」
美津江は叫ぶが、それは違う。
苦しく理不尽な目に合ったからこそ、
亡くなった人のためにも、幸せにならなきゃいけんのよ。
自分の苦しみを後世の人に伝えていかにゃぁいけんのよ。
そう気持ちに踏ん切りをつけた美津江の心の葛藤。


原爆資料を集め研究する木下さんと結婚し、
幸せに暮らしてほしい。
物語は、それを匂わすところで終るが、
それは、幸せであると同時に、いつも自分が忘れてしまいたかった
原爆の悲惨さと向き合わなければいけない生活となる。
辛い作業が待っているのである。
木下さん、どうか美津江を支えてやってくださいね。
そう願わずにはいられない。

11/19一部改定

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この記事へのコメント

レイコs
2009年11月18日 16:54
われわれ日本人にとっては、絶対に風化させてはいけない永遠のテーマですね。40席の会場とあちらで読んでびっくりしました。迫力がすごいでしょうね。
風民ご夫妻もたしか劇団で知り合ったと憶えていますが・・

風民
2009年11月18日 17:04
●レイコsさん♪
すぐ間近に役者さんが演技していて本当に迫力がありましたよ。
あの空間が好きです。
<劇団で知り合った
うちは、勤務会社で、すでに知り合っておりまして、結婚後、少し劇団やっておりました。
<絶対に風化させてはいけない
私自身、風化しまくりでしたが、再認識させていただきました。
コスモス
2009年11月18日 23:04
 たしか宮沢りえ主演だったと思いますが、映画があったと思います。ストーリーは原爆を背景にしていたと思うのですが、ただ映画の場合は文字どおり「父と暮らしている」という設定でした。私は、この映画をぜひ見たいと思いながら、見逃してしまいました。風民さんが見られたのは、また違う「父と暮らせば」だったのでしょうか? 妙に気になります。

 しかし、映画のストーリーも、この演劇も、よしんばたまたま題名は同じで、違うものとしても、どちらも心に迫る内容のようです。

 覚えていて、機会があれば、どちらも見てみたいと思います。

 良い作品をご紹介くださってありがとうございます。

 
風民
2009年11月18日 23:17
●コスモスさん♪
映画の「父と暮らせば」
セリフも、まったくこのお芝居と同じです。
脚本は、井上ひさし氏です。
1994年に舞台初演、後に映画化されたようです。
観てない方には、ちょいとネタばれ感想になってしまいました。
ストーリーの始めの方では、父は生きた存在に感じます。
だんだんと、亡くなっているのだとわかってくる筋書きになってます。
映画は、たしか、まもるさんがレンタルしてきたと記憶しております。

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